王道少年マンガと、王道少女マンガ。色んなドキドキが味わえる『修羅の刻』
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王道少年マンガと、王道少女マンガ。色んなドキドキが味わえる『修羅の刻』

この記事を書いた人

樽瀬川

「読みやすく、わかりやすい」をモットーに書いています。幼少期から少年漫画を読んで育ちました。主に少年漫画や青年漫画を女性視点で紹介しています。マンガを読んで元気になって、日常生活を戦うパワーをもらいましょう!

マンガと一口に言っても、手で汗を握る王道バトルマンガもあれば、恋に恋するような甘い恋愛マンガまで、さまざまな種類があります。

マンガを読む時は、マンネリ化している毎日を打破するような「ドキドキ」を味わいたい。

だけど、いつも同じようなマンガではそのドキドキもマンネリに感じてしまう。

今回紹介する『陸奥圓明流(むつえんめいりゅう)外伝 修羅の刻(とき)』は、少年漫画雑誌に掲載されているバトルマンガでありながら、しっかりと少女マンガのような恋愛要素もある、一粒で二度おいしいマンガです。

(出典:修羅の刻(1):川原正敏)

『修羅の刻』の概要

『修羅の刻』は副題に「陸奥圓明流外伝」とあります。実は作者である川原正敏(かわはら まさとし)氏の代表作「修羅の門」の外伝にあたる作品なのですが、「修羅の門」を知らなくても楽しめます。

「修羅の門」の主人公である陸奥九十九(むつ つくも)は、千年間無敗の格闘技流派「陸奥圓明流」の継承者で、自分の流派が地上最強であることを証明するために、世界中の格闘家と戦います。

『修羅の刻』は、九十九のご先祖様たちが「陸奥」の名の元に、各時代で名だたる武芸者と戦う歴史バトルマンガです。

基本1巻から4巻ほどの章仕立ての短編マンガで、修羅の刻の主人公や舞台となる時代は各章で異なります。

また1巻は江戸時代初期、2巻・3巻・4巻は幕末、5巻はまた江戸時代初期、6巻は平安時代と、時系列順ではないので、興味のある時代の章から読むこともできます。

ちなみに、1巻~3巻と5巻の章はテレビアニメにもなっています。

繰り出す技がめちゃくちゃカッコいいバトルマンガ

『修羅の刻』のメインテーマは格闘技戦です。

作者はもともとバトルマンガを長年描いているので、格闘マンガのベテランとして名が挙がることも多くあります。

バトルにおいて技の「見せ方」や「演出」が魅力的で、マンガでありながら実際の格闘技の試合を観戦しているような一撃の重みを感じます。

バトルマンガでカッコいい技を見ると、「こういう技を自分も出したい」「アニメで見たい」と想像することはよくありますが、「こういう技を喰らいたい」「実写で見たい」とまで思うのはこのマンガぐらいです。

歴史ものとしてもおもしろ面白い

歴史ものの醍醐味は、史実では謎とされている部分を、いかに説得力を持たせて穴を埋めるかということですが、これもまた見事に埋まっています。

なぜ、突然死んだのか→陸奥と戦ったから。

なぜ、この状況で生き残れたのか→陸奥が助けたから。

というように、歴史の隙間を「陸奥」が巧みにつなげているのです。

個人的には、3巻にある沖田総司の「猫を斬ろうとして庭に出て死んだ」という広く知られている逸話を、陸奥と絡めた形で改変したのは、「なるほど、総司は最後まで武人でいようとしたのだな」と感動しました。

単なる「俺TUEEE」ではない

陸奥が代々に渡って受け継ぐ流派「陸奥圓明流」は千年間無敗を誇る格闘技です。

当然負けることはありません。

どんなに強いと言われる歴史上人物にも最後には必ず勝ってしまうので、「偉人に対して失礼ではないか」と思う人もいるでしょうが、むしろ陸奥が無敵だからこそ、歴史上人物に対しての敬意と愛をヒシヒシと感じるのです。

歴代陸奥の強さは、もはや人ではなく「鬼神」や「化け物」と言われるようなレベルです。

そんな相手に挑む姿こそ、少年バトル漫画の王道ではないでしょうか。

『修羅の刻』の主人公は各時代の「陸奥」ですが、視点はどこか歴史上人物の方に寄っているといえます。

陸奥と戦うために、技を磨き、戦場を生き抜き、最後にようやく追いついたと喜びながら戦う姿は、まさに歴史に刻まれた武勇伝の通りです。

武人である歴史上人物を惹きたてるために、陸奥は最強でなくてはならないのです。

これはまさに、『修羅の刻』でしか描けない歴史上人物の表現で、クライマックスのバトルシーンは、作者のバトル表現技術との相乗効果で感嘆の一言です。

ヒロイン視点で見てみると、まるで少女マンガ

『修羅の刻』は、普段少年マンガやバトルマンガを読まない人にもオススメできるポイントがあります。

むしろ普段は少女マンガの恋愛ものばかり読んでいるという人に、是非オススメします。

『修羅の刻』は、陸奥圓明流を先祖代々引き継ぐ物語です。

だから主人公は、強い武人と戦って陸奥圓明流の強さを証明するという使命の他に、お嫁さんを貰って子供を産んで技を継承させるという使命もあります。

よって、毎回ヒロインが登場して、「陸奥」と恋をします。

命を狙われている所を助けてもらったり、護衛に雇われたり、最初は憎らしい相手だったのがだんだんと惹かれていったりと、各時代の陸奥と出会って、旅について行きます。

ハッキリと嫁になりましたという描写があるヒロインは少ないですが、十中八九は嫁になるだろうと思えます。

陸奥たちは強いし、イケメンなので女にモテそうなのですが、そういった描写はあまりありません。

というよりは、バトル脳なので女にあまり興味はなさそうです。

けれどヒロインがピンチになったり襲われそうになると、焦ったり激怒したりします。

あるいは他の女には言わないのに、ヒロインにだけは「綺麗」と言ったり、あからさまなスキンシップを求めたりするようなこともあります。

ヒロイン目線で読むと、少女マンガに負けず劣らずドキドキする恋愛模様を楽しめます。

「ドキドキ」したい人向けの最強のマンガ

「バトルもの」としても手に汗を握る「ドキドキ」がありますし、「恋愛もの」としても運命の相手と出会う「ドキドキ」があります。

そして「歴史もの」としても、歴史の謎に迫る「ドキドキ」があります。

修羅の刻『修羅の刻』はもちろんフィクションですが、いつの時代でも、人はこうして生きていたのだろうなと熱いものを感じる作品です。

読み終えた余韻のまま胸に手を当てると、ドキドキと高鳴る心臓の鼓動を感じるでしょう。

今回紹介した作品はこちら

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