大人になった今こそ読み返しませんか?『こどものおもちゃ』
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大人になった今こそ読み返しませんか?『こどものおもちゃ』

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少年少女問わず漫画と旅が大好きなアラサー女子。特技は漫画喫茶で12時間ノンストップで読み続けること。好きな漫画は『花より男子』『フルーツバスケット』『鬼滅の刃』『ハイキュー』

『こどものおもちゃ』

略して『こどちゃ』。

この作名を聞くと、「あ〜〜昔読んだ!!」と懐かしさがこみ上げる20代後半〜30代女性は多いのではないでしょうか。

「りぼん」で連載され、キャラクター達はほとんどが小学生なので、幼い頃にこども向け漫画として読んだことがある方は少なくないはず。

でもこれ、大人になって読み返してみると、「よくこの内容を少女向け雑誌で連載したな…」と思うほどセンセーショナルな問題提起作なのです。

いじめ、暴力、捨て子、死別、精神病、傷害事件、若年妊娠、、。

そんなヘビーなテーマをこれでもか!というほど盛り込んでいる『こどちゃ』ですが、幼い頃に読んだ私たちの記憶に「笑えておもしろい漫画」という印象を残しているのは、作者の手腕とも言えるでしょう。

ところどころに散りばめられたギャグやおふざけ、どこまでもポジティブな主人公によって、重い内容との絶妙なバランスがとれている作品なのです。

大人になった今こそ読んでほしい。

むしろ、読んでいる子供たちが大人になった時のために作られた作品なのでは??と個人的に思います。

私は単行本で揃えていて、小、中、高、大人になった時に読み返しましたが、年を経るにつれ、この漫画の意味がずっしりと心にくるものがありました。

“ライトに読めるヘビーな漫画”

たくさんの登場人物の心の傷に、ポジティブ思考で光を照らす主人公。

もしかしたら、あなたの傷をも救うかもしれません…。

(出典:こどものおもちゃ(1):小花美穂)

『こどものおもちゃ』概要

1994年〜1998年で少女向け漫画雑誌「りぼん」に掲載されていた、小花美穂先生の代表作『こどものおもちゃ』。

単行本は全10巻で構成されています。

ちょうど私が小学校低学年くらいの時に連載されていました。(年齢バレる笑)

ただ連載中に読んでいたわけではなく、小学校高学年くらいになった時、年上の従姉妹の部屋ではじめて読んだのが『こどちゃ』との出会いでした。

その時はまだまだ子どもでしたが、「捨て子」「ヒモ(男)」「かけおち」などの言葉を『こどちゃ』で初めて知ったのを覚えています(笑)

「暴力」「いじめ」「家庭環境」「親との死別」など、当事者でなければ到底想像がつかないような問題に、ユーモアとウィットに富んだ“少女漫画”『こどちゃ』を通して、子ども時代に触れる事ができたのは良い経験でした。

だいぶ昔の漫画ではありますが、イラストのタッチが繊細で綺麗なので、古さを感じず違和感なく読み込める作品になっています。

『こどものおもちゃ』のあらすじ

小さい頃から劇団に所属し、映画にドラマ、バラエティにと活躍している子役タレント倉田 紗南(くらた さな)は、私立神保小学校6年3組に在籍していました。

母・実紗子(みさこ)は人気作家で豪邸に住んでおり、紗南は充実している日々を過ごしていたのですが……。

紗南のクラスは羽山秋人(はやま あきと)を中心に男子が荒れており、学級崩壊を起こしていました。

そこで紗南はあの手この手で止めさせようと画策しますが、

羽山には羽山の暗い過去が、紗南には紗南の重い過去があり、、

小学生ながらどこか大人びていて、でもやっぱり子どもな部分もあって、そんな2人がやがて恋に発展していく様子も必見です!

本当に子ども向け?壮絶なエピソード

『こどちゃ』は一言では説明出来ないほど深い作品です。

いくつもの問題をコミカルに、時々シリアスに提起しているので、小学生くらいのお子さんがいる方は読ませてみても良いかもしれません。

いじめ(生徒→生徒、生徒→先生、先生→生徒)

ネグレクト

虐待、DV

不登校

若年妊娠

捨て子

ホームレス

子どもが働くこと

マスコミの情報操作

過保護

心の病

ファンによる犯罪

身体障害

などなど。

『こどちゃ』を読んだことがない方は、こんな内容を盛り込んで、どうやってコミカルになるの?と思うかもしれません。

これらの問題提起や登場人物の傷は、紗南やその母親のプラス思考に救われていきます。

そんな2人も、ただアホみたいにポジティブなのではなく、たくさん傷ついて這い上がってきた先にあるプラス思考なので、私たちの心にすっと心に染みこんでくるのです。

大人になって読み返した時、私は『離婚』という経験をして、実家で塞ぎ込んでいる時期でした。

自分の部屋にいると、幼い頃揃えていた『こどちゃ』が目に入り、久しぶりに読んでみることにしたのです。

すると、絶望の淵にいるキャラクターに差し伸べられる前向きな言葉が、私の心に染みていきました。

こんな過酷な現実の中でもみんな乗り越えてる。

私もきっと大丈夫。

そう思わせてくれました。

クスッと笑えて、少し泣いて、最後に心にグッとくる。

読み終わる頃には、もしかしたらあなたの心の傷も癒えているかもしれません。

それが“大人が読む”『こどものおもちゃ』なのです。

そしてなんと、紗南と羽山のその後を描く番外編『Deep Clear』が発売されています!

2人の一波乱ある未来も読みたい方はこちらもあわせてどうぞ!!

今回紹介した作品はこちら

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