生きたいと思わせる漫画。死後の世界を描く「死役所」
  • 死役所

生きたいと思わせる漫画。死後の世界を描く「死役所」

この記事を書いた人

たろす

物心つく頃から母と兄の漫画を読んでいて、大きくなる頃には家に漫画部屋ができていました。小さい頃の夢は漫画家。漫画家にはなれませんでしたが、大人になった今でも漫画は日常の一部です。幅広く読みますが、一番好きなのは少女漫画。世の中の漫画家さんには夢と胸きゅんを与えてもらって感謝しています。

あなたは「死」についてどのようなイメージを持っていますか?

私は「死」と聞くと怖い、悲しい、痛い・・・といったことをイメージします。

普段「死」について考えることはそこまで多くはないと思いますが、今回はそんな「死」について考えさせられる、あずみきし先生の死後の世界を描いた漫画「死役所」を紹介したいと思います。

(出典:死役所(1):あずみきし)

物語のあらすじ

「死役所」そこは、死後の世界にある死者を生前の行いによって、成仏か冥土送りかに振り分ける場所。

自殺、他殺、事故死、病死など様々な理由で亡くなり、死役所へ訪れた者たちの生前の人生と人間模様を描いています。

死者一人ひとりについて描かれており、基本一話から複数話の完結型ストーリーとなっています。

そして、この物語全体の中心となるのは、主人公であるシ村を含めた死役所の職員達です。

死役所の職員達ももちろん既に亡くなっています。

死役所を訪れる死者と違うのは、人を殺めて死刑になったということ。

なぜ死刑となったのか、そして生前どんな人物だったのか。

物語が進むにつれて、職員達の人生についても少しずつ分かっていきます。

死役所の職員

 私は、登場人物の中でもイシ間(いしま)が好きです。

スキンヘッドで強面ですが、見た目に反して人情に厚い人なんです。

他殺課という部署に勤めている彼は、小さい子供が死役所に訪れると、まだ小さい未来のある子供がなぜ殺されなくてはいけないのか、怖かったよなと泣いてしまうくらい良い人。

死者に共感したり、死者のことを思うと泣いてしまうようなイシ間がなぜ死刑になってしまったのか。

イシ間は、自分のためや快楽のためではなく、一緒に暮らしていた姪のために人を殺してしまいます。

奥さんは先に他界し、子供も居なかったため、実の娘のように可愛がっていた姪のミチ。

そんなミチが無理やり少年達に襲われそうになっていたのを助けるためでした。

それから何十年、年を取って亡くなったミチは死役所に訪れ、イシ間と再会します。

ミチは認知症になっていましたが、イシ間のことは覚えていて、昔の少女の頃と変わらない笑顔で挨拶してくれます。

事件までの一連の流れと、二人の再会のエピソードは涙なしでは見れません。

他の職員達も一見、人を殺めたようには見えません。

なぜ全員死刑になったのか。

特に主人公のシ村は冤罪だったようで、他の職員より訳ありのようです。

彼がなぜ課に属せず、総合案内係をしているのかにも理由があるのかもしれません。

ぜひ漫画で確認してみてください。

考えさせられる「死」について

 私自身、普段生活をしていて「死」について考える機会は少ないですが、この漫画を読みあらためて「死」について考える機会が増えました。

死後の世界のことは、生きている人間にはわかりません。

本当に「死役所」のような役所が存在するかもしれないですよね。

この漫画のテーマが「死」なので、物語は全体的に暗く人が亡くなるシーンや、亡くなった姿も描かれているため苦手な方もいるかもしれません。

ただ、なぜこの作品がこんなにも人気なのか。

それは、亡くなった人のそれぞれのストーリーから深く考えさせられるメッセージ性があるからこそだと思います。

物語の中には、いじめにあっている男子中学生、スマホに依存する女子高生、ダイエットの影響で拒食症になってしまった女性、その他にも小さな子供から高齢者まで幅広い年齢と、それぞれの悩みなどについてリアルに描かれています。

必ず自分の年齢や悩みに似た人のストーリーがあると思います。思わず自分と重ねてしまったり、共感できる部分もあるかもしれません。

自分に残された時間

 死因によって心の準備ができるものとできないものがあります。

もし、病気だと知ったら残された時間で何ができるか考えることができますよね。

周りの物を整理したり、関わった人々にあいさつもできます。

そして、周りの人々もある程度覚悟することもできます。

しかし、突然事故や事件に巻き込まれたら?何の準備も覚悟もできません。

死役所を訪れる者の中には、突然の出来事により自分が亡くなったことが理解できていない者もいます。

理解できたときに初めてショックや後悔が襲ってきます。

残された家族や友人はどう思うのか、自分がいなくて大丈夫かと。

いつどこで何が起こるか分かりません。事故も事件も身近になってきています。

きっとこの漫画を読むことで、生きている今だからこそ何ができるか考えさせられ、後悔のないように生きていこうと思うはずです。

さらに、どんなに辛く悲しくても「死ぬことは怖い」と感じるはずです。

だからこそ残された日々、そして自分や周りの人の命を大切に生きていこう。

重く暗い漫画ではありますが、身近ではない「死」について考えさせられる「死役所」です。

今回紹介した作品はこちら

この記事についてるタグ