優しい笑いと癒しを求めよ、さらば「聖☆おにいさん」を与えられん
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優しい笑いと癒しを求めよ、さらば「聖☆おにいさん」を与えられん

この記事を書いた人

樽瀬川

「読みやすく、わかりやすい」をモットーに書いています。幼少期から少年漫画を読んで育ちました。主に少年漫画や青年漫画を女性視点で紹介しています。マンガを読んで元気になって、日常生活を戦うパワーをもらいましょう!

仕事や日々の生活で忙しく過ごしていると、会社を休んでどこか遠くでバカンスをしたくなってきますね。

けれども現実は長期休暇を取るのは難しい……。

そんな時に、バカンスを楽しんでいるマンガを読むことで、忙しさからちょっとだけ離れてのんびりしている気分になってみましょう!

(出典:聖☆おにいさん(1):中村光)

聖☆おにいさんの概要

聖(セイント)☆おにいさんは、シュールなギャグに定評のある中村光(なかむら ひかる)さんの1話完結型の日常ギャグマンガです。

宝島社の「このマンガがすごい!2009」にオトコ編1位を獲得し、手塚治虫文化賞短編漫画賞を受賞しました。

またアニメや実写ドラマも作られている人気作品です。

読む前の豆知識

世紀末を終えて、長期有給休暇を取ったイエス・キリストとブッダは、東京都の立川のアパートで過ごします。

ゲームやSNSにハマるイエスや、家事の効率や節約を常に考えるブッダなどの庶民じみた日常あるあるの中に、時折見せる「世界最大宗教の教祖」の顔や思考が、シュールな笑いとなってクスリときます。

ギャグには聖書や仏教の経典ネタがちりばめられています。

知らなくても面白いですが、知っているとより深く笑えるため、初心者向けに少しだけ紹介します。

キリスト教

・4人の大天使
キリスト教の世界観は、天国に「神」がいて、その神の言葉を人間たちに伝える「天使」がいます。

天使の中でも特に大きな力を持っているのが4人の大天使です。

マンガの中でも4人の大天使が登場し、イエスを過保護に見守っています。

・天使と悪魔

また天使が罪を犯すと悪魔になり地獄に落ちます。

また異教の神も悪魔とされました。

悪魔は人間を惑わして神を信じる心を失わせ、地獄に引き込もうとするのです。

天使長のミカエルと、悪魔の長のルシファーは兄弟でした。

マンガの中でも、ルシファーはイエスに度々ちょっかいを出して苦しめます。

しかしルシファーは元天使長で、現在は悪魔の長ということで、「陽キャでコミュニケーションが高い人」という設定がされています。

その様子を見てオタク気質のキリストが勝手に気まずくなっているという描写です。

・イエスの弟子たち

それからイエス・キリストは、「神」の子が人間を救うために、人間界に生まれました。

ペトロやアンドレなどの12使徒はイエスの弟子の中心的な人物です。

マンガの中の弟子たちもイエスを慕っていますが、たまに「本当に慕っている?」とブッダがツッコミをいれるほどフランクな関係です。

・ユダの裏切り
そして、キリストはローマ帝国の反感を買い、迫害されます。

そして弟子の「ユダ」に裏切られ、十字架にかけられて処刑されてしまいました。

マンガの中のユダは裏切った事を後悔している様子で、自虐的な面がありますが、キリスト自身は、自分が処刑された時のことを「持ちネタ」にしているほどであっけらかんとしています。

仏教

仏教の世界観は「六道輪廻」と言われています。

償うための「地獄道」、食欲に執着する「飢餓道」、本能のまま行動する「畜生道」、争いや怒り憎しみの絶えない「修羅道」。

そして、人間の住む苦しみと楽しみの世界「人間道」と、天人の住む「天道」です。

魂はこの6つの世界のどこかに生まれ、徳を積むことによって上の階層へ転生します。

そして輪廻転生から外れる事を「解脱」と言い、解脱する事を「悟り」と言い、悟った人は「仏」になります。

・ブッダ
ブッダはこの輪廻から解脱して仏となった人です。

しかしこの6つの世界に住むあらゆる人々を悟りに導き救う教え(仏教)を広めるために、人間界に誕生しました。

多くの苦難を乗り越え、悟りを開き、弟子たちに囲まれて生涯を終えます。

マンガでも弟子たちが登場しますが、イエスの弟子たちとは対照的に、ブッダを敬いすぎていて、ブッダ自身も少し引いているほどです。

また生前も王子の身分で、妻子がいました。イエスとは正反対の人生を歩んでいることで、二人の間にギャップがあります。

・古代インドの神々
それから「梵天」や「弁財天」などの「天部」と呼ばれる神は天道に住む天人ですが、もともとは古代インドの神々で、仏教と融合して、仏教の守護神となりました。

マンガの中に出て来る梵天や弁財天は、スーツに身を包み、ブッダや仏教を広めるための宣伝営業部のオフィスワーカーのような設定をされています。

しかし彼らのプロデュース方法はどこか強引で、現代の感覚とズレています。

多様性のある寛容な笑い

宗教を扱っていながらも、ウィットに富んだセリフ回しや、明るくてどこかほっこりするエピソードから、キリスト教圏の外国でも人気で、イギリスの大英博物館にも単行本が展示されていたこともあるほどです。

近年は「価値観の多様性」が求められていますが、陽気で寛容的なこのマンガの世界観は、多様性とはこういうものだと教えてくれているようです。

疲れた心に優しい癒しの笑い

心が疲れていると、ちょっとしたネガティブにも敏感に引きずられてしまいがちです。

このマンガは神や仏の他にも悪魔たちも出て来て、イエスやブッダにちょっかいを出します。

しかし、その方法もどこか愛嬌があり、ハラハラしたりヒヤリとしたりしない、良い意味で緊張感がありません。

どこまでも緩々と脱力できるギャグが満載で、ストレスフルな現代社会を生きる人にとって極上の癒しとなるでしょう。

マンガを読んで元気になろう

仕事で失敗したり、恋人や友達とちょっと喧嘩したり、落ち込んだ時にはこのマンガを読んでみてください。

読んでいるうちに「ふふっ」と笑えてきて、知らぬ間に入っていた肩の力が抜けるような気がします。

リラックスして、また明日もがんばろうと思えるマンガです。

今回紹介した作品はこちら

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