深く沈みたい日には「スカイハイ」で命や魂について考えてみよう
  • スカイハイ

深く沈みたい日には「スカイハイ」で命や魂について考えてみよう

この記事を書いた人

樽瀬川

「読みやすく、わかりやすい」をモットーに書いています。幼少期から少年漫画を読んで育ちました。主に少年漫画や青年漫画を女性視点で紹介しています。マンガを読んで元気になって、日常生活を戦うパワーをもらいましょう!

新聞、雑誌、TV、ネット。

毎日多くのニュースが報道されています。

その中には目を覆いたくなるような悲惨なニュースも、しばしば含まれています。

若くして事故で亡くなってしまった人、虐待の末に命を落とした子ども、孤独なまま死を選んでしまった人など、その理由・状況は様々です。

多くの消えていった命はどうなるのだろう。

亡くなった人も、残された人も救いはないのだろうか。

そして死に追いやった人、その手にかけた人はどうするのか? 

そんな風に考えた時、このマンガを読むことで、「死のその先」を考えるヒントになるかもしれません。

(出典:スカイハイ(1):高橋ツトム)

スカイハイの概要

高橋ツトム作「スカイハイ」は、基本1話完結型のマンガです。

一応連載の区切りはありますが、シリーズ化していて、不定期に続いています。

また実写ドラマや実写映画も作られた、高橋ツトムの代表作です。

あらすじ

不慮の事故や殺人事件の被害者の魂がやってくる「怨みの門」。

その門番である女性「イズコ」は死者の魂に以下の三択を迫ります。

「死を受け入れて、天国で再生を待つか」

「死を受け入れず、現世でさまようか」

「現世の人間を1人呪い殺し、地獄へ行くか」

各話の主人公である「死者」はどんな人生を歩んだのか、何故死んだのか、そしてどれを選択するのか。

読者は一部始終を見守ります。

見守ることだけしかできない物語

理不尽に命を奪われた死者たちが、悩みながら選択し、その結果を受け入れます。

そしてイズコは、怨みを克服し天国へ行く魂にも、現世でさまようと留まった魂にも、復讐を果たして地獄に行くと決意した魂にも「おいきなさい」と言って門をくぐらせます。

読者が共感するのは各話の主人公の視点というよりは、門番のイズコの視点と言えるでしょう。

イズコや読者は、死者の選択には干渉できないけれど、せめて報われる形になって欲しいと願います。

その祈りが届く時もあれば、届かない時もあり、まさしく「生きた人間の物語」と言えます。

「悔いなく生きよう」と襟を正す作品

人生はいつも順風満帆とはいきません。

理不尽な目にあって、「どうして私だけ」「あいつは絶対に許さない」と不幸のどん底に陥ることもあるでしょう。

もしかしたら、このマンガにはあなたと似た境遇の人が出て来るかもしれません。

そしてその選択を見守る事によって、溜飲が下がったり、励まされたりするでしょう。

しかし各話に共通するのは「死んだら人生はそこで終わり」ということです。

ある人にとってそれは「無念」であり、ある人にとっては「救い」になっています。

今の自分にとってどちらにせよ、その時が来たら「後悔」が残る終わり方はしたくないなと、改めて考えるきっかけとなります。

死を描くことで、生を励ます作品

もしも今、あなたが理不尽な出来事の渦中にいるのなら、このマンガを読んでみてください。

描かれているのは「死後の世界」で、選択を迫られているのは「死者の魂」です。

しかしその選択の内容は、死者だけでなく今を生きる私たちにも当てはまるのではないでしょうか。

例えば、理不尽なイジメに遭った時、「死を受け入れて、天国で再生を待つ」のは相手から距離を置き、休養し回復に専念すること。

「死を受け入れず、現世でさまよう」のは、まだまだ我慢できる、あるいは我慢するしかないと耐え続けること。

「現世の人間を1人呪い殺し、地獄へ行く」は、この先さらに泥沼になってでも相手に反撃することといえます。

門番のイズコは死者の魂を正しい選択に導くことも、その決意を「間違っている」と諭すこともありません。

自分と同じような境遇の死者の魂、あるいは自分には想像もできなかった人生を歩んだ死者の魂の数々の選択を見守り、日常に帰ると、私たちの生活でも多くの「理不尽」とその理不尽に対してどうするか「選択」を迫られる場面に遭遇します。

その時にどの選択をしても「正しい」も「間違い」もありませんが、「後悔」だけはしたくない。

そんな風に日常の理不尽に立ち向かう勇気をもらえるマンガです。

今回紹介した作品はこちら

この記事についてるタグ