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47.2%の夫婦がセックスレス!『1122』からイマドキ夫婦の実態を探求
男女の間でたびたびわたしたちを悩ませる「セックスレス」という問題。
友人や家族にも相談しにくい内容なので、1人で不安を抱えている人もいるかと思います。
そこで今回は、渡辺ペコさんが描く『1122』(講談社)をピックアップ。
セックスレスはもちろん、人に言えない悩みや、夫婦間の絶妙な距離感を丁寧に描いています。
夫婦間の関係で悩んでいる人や男女の考えの差が知りたい人にとって、心に突き刺さる内容なので、ぜひ手に取ってみてくださいね。

あらすじ
『1122』の主人公は、結婚7年目の30代夫婦「いちこ」と「おとや」。
表面上はどこにでもいる夫婦として描かれていますが、実はセックスレスが原因で夫のおとやは“妻公認の不倫”をしています。
ことの発端はいちこがおとやの誘いを断ったことから。
しかし残念ながらいちこはその時のことをあまり覚えておらず、結果的に「家庭にセックスを持ち込まない」という暗黙のルールが敷かれることになってしまいます。
一方このルールに乗っ取って家庭外に恋人がいるおとやは、毎日充実した顔をいちこに向けています。
最初は不倫を認めていたいちこでしたが、その笑顔ひとつにも
「恋をしている人はキラキラルンルンしている」
「朝ご飯を作ってても」
「納豆を食べていても」
「テンション高め」
「生きてるって感じ」
「輝くってこういうこと?」(引用元:1122/渡辺ペコ/1巻より)
とどこか普通に幸せを喜べなくなってきます。
『1122』は最後まで「セックスとはなにか」「恋愛とはなにか」という2大問題を抱えながらストーリは進んでいきます。
目まぐるしく変わるいちこの性に対する感情や、おとやが純粋に恋愛を楽しんでいる様がリアルに描かれている『1122』。
読んだ人誰しも主人公や不倫相手などの気持ちに共感できる部分があるかと思います。
恋愛や結婚生活で悩んでいる人はぜひ購入してみてくださいね。
セックスを断られるって女性にとっては一大事なんです
ある日、いちこが酔った勢いでおとやをセックスに誘います。
「なんでそんなに全力でキョゼツすんのさ、夫婦なのに」「てゆうか私はおとやんの“好きな人”じゃないの?」(引用元:1122/渡辺ペコ/1巻より)
といちこはおとやに気持ちをぶつけますが、おとやは「いちこちゃん、俺に好きな人がいるの知ってるよね」と返答。
いちこが続けて「じゃあセックスくらいいいじゃん。わたしとだってしたって。へるもんじゃあるまいし」と反論したところ、おとやからは「へるよ」としか言われませんでした。
いちことおとやのセックスに対しての考え方の違いは、このシーンで明確に分かれます。
これは「男女の差」なのか、あるいは「恋愛をしている人としていない人の差」なのか…。
夫婦間でセックスレスになる理由は、そのカップル同士で異なります。
しかしキョゼツされた側・する側の気持ちはどの人も変わりないかもしれません。
『1122』は女性向けの漫画として発売されていますが、男性が読んでも興味深い内容となっています。
もし機会があればパートナーや夫に『1122』をそっと渡してみるのも良さそうですね。
冒頭の「日本国憲法」が物語の重みを引き出す
漫画の最初のページは、読者の心を掴む重要なページ。
「絵柄が好きだから買おうかな」「この種類の今まで出会ったことがないから買ってみよう」などと、思考する場面でもあります。
しかし『1122』の場合、“勝負”とも言えるこの1ページ目で「日本国憲法」を提示。
「婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない。」
「配偶者の選択、財産権、相続、住居の選定、離婚並びに婚姻及び家族に関するその他の事項に関しては、法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して、制定されなければならない。」
と、一見重たい文章が印刷されています。
さらにページをめくると、「一般社団法人日本家族計画協会」の「男女の生活と意識に対する調査」の“棒グラフ”が登場。
憲法とグラフで物語の内容を絶妙に表現しています。
この冒頭ページで心を掴まれた人は多いようで、「純粋に絵も好きだったけど、しっかりとしたテーマを持っている漫画ってことが知れたから買いました!」「重たいテーマなのに綺麗な絵柄で書かれていてギャップを感じた」という声が続出。
娯楽だけでなくメッセージ性を持っている漫画として高く評価されています。
まとめ
今回は、現在の日本人が悩んでいるセックスレスや結婚の在り方について問いかけている『1122』を紹介していきました。
人になかなか相談できないセックスの悩みや、夫婦の間で起こるリアルな会話などを描いています。
“ファンタジーの世界だから”と漫画と現実に壁を作らずに楽しめるので、ぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか?
今回紹介した作品はこちら
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